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自分の“てのひら”を見る。


差し出すように広げればよかった。

ガサガサだけど包み込んで、ぬくもりを伝えることだって出来たのかな……それはたぶん難しかっただろうけど……どうかな。


でも、カラで握った僕の掌は、人の気持ちや情けや境界をも拒絶し、固く強張る凶器となりました。

僕はその人を殺そうとしたのかもしれません。

もちろん血は流れなかった。

実際に握りコブシを作ったわけでもない。

でも、その時の僕の言葉は、心は、その人の気持ちを圧し、殺そうとしていたように感じるのです。

今、眼下にテノヒラを見ながら、そんな想いが溢れています。


つくづく人間って恐いなぁ、自分って恐いなぁと感じますね。

こんな人間は重々しく黒光りする手錠やら足かせでも付けて、オリの中に入っているべきなんだとも思うから。

自分の中に嫌いな自分を見ます。

ほんとうに消えるべきは僕のほう。

そんなことをグルグル考えているからか、お腹までグルグルしてチカラが入りません。


ただ、こう文字にすることで、少しだけ心の在りどころが定まり始めたりして、ちょっとづつだけどカラダの芯にあった重みのようなものが剥がれていくのです。

人間って不思議ですね。

その、生々しいヌメリのようなあたたかさが好き。


そんな僕のテノヒラは、これからどんなモノを作っていけるのですか?


テノヒラを眺め、祈りのようにその奥の奥にいるかもしれない誰かに問いかける今です。
2013-01-07